四重奏

著者 :
  • 光文社 (2023年12月20日発売)
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〈火神〉の異名を持つ孤高の音楽家・鵜崎顕。彼の主催する鵜崎四重奏団で、団員の黛由佳が亡くなったため欠員補充のオーディションが開かれる。学生時代に彼女と親しかった坂下英紀は彼女の死に疑念を抱き、オーディションを受けることでその真相に迫ろうとするが……。
ミステリーだと思って読むと肩透かしを食らう。本作で描かれているのはクラシック音楽や演奏を含めた“芸術”の本質だ。
登場人物の1人が言う。「人間は、何も判らない」。この言葉が繰り返され、すべては〈錯覚〉だとされる。
深い。そしておもしろい。年間ベスト入り確定の1冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年3月3日
読了日 : 2024年3月3日
本棚登録日 : 2024年3月3日

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