なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6)

著者 :
  • 早川書房 (2022年4月20日発売)
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どの短編も楽しめたが、伊藤計劃トリビュートに収められた「美亜羽へ贈る拳銃」と、別々の人工知能によって支配されたロシアとアメリカの戦いを描いた「シンギュラリティ・ソヴィエト」はとても印象深かった。

特に後者は、人工知能に支配された世界では、国民は人工知能の指示に従わざるを得ないが、その指示の意図は人間の知識では分かりえないという、まさに盤上の駒に成り下がった未来の人間の姿がリアルで、シンギュラリティを推し進める現代人の愚かさが身に染みた。ちなみに、人工知能の指示に従わないと、その人の愛国心の評価が下がり、その国での生活がしにくくなるという設定。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年2月5日
読了日 : 2024年2月3日
本棚登録日 : 2024年1月21日

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