ドグラ・マグラ(下) (角川文庫 緑 366-4)

著者 :
  • KADOKAWA (1976年10月13日発売)
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感想 : 557
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読み終えてからずっと酔っ払っている感じです。

ブクログには文庫版しかデータが無かったのでこちらで登録しましたが、700ページ強を一冊に纏めたハードカバー版で読みましたので、精神よりも先に腕の方がおかしくなりそうでしたが、それ程に夢野さんの魂が込められた大作でした。

脳科学、精神医学の世界で実際にあったような気がする(うろ覚えですが)理論を用いて、ステキなステキな狂った世界を構築されています。
(夢野さんのステキな〇〇という表現が大好きで、今後使わせていただこうと思います。)

胎児の夢で書かれていた『胎児よ 退治よ 何故躍る 母親の心がわかって おそろしいのか』この一文に心理遺伝の全てが投影されている気がして、鬼才っぷりに度肝を抜かれました。

まさに『幻魔怪奇探偵小説』ですが、かの江戸川乱歩さんですら追悼文でドグラ・マグラについては一切触れなかったというのを知り、現代においても唯一無二の古典として残り続けているのはかなりの偉業なのではないかと。
死ぬまでにこのステキな世界に触れられて良かったです。

暫くは酔いが醒めなさそうで、頭の中でブゥーーンブゥーーン、スチャラカチャカポコと、時計と木魚が鳴り続けております。
あれは本当に時計なんでしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典
感想投稿日 : 2023年7月24日
読了日 : 2023年7月24日
本棚登録日 : 2023年7月24日

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