「ひたひたと」と「花腐し」の2篇。
どちらもずっと雨音を聞いているような感じの作品だった。止まない雨、その中での徘徊。身体的な徘徊と精神的な徘徊とでぐちゃぐちゃになっていて、まるで夢遊病者の語り。「ひたひたと」では「を」の字のように曲がりくねった路地というのが出てきて、妙に印象に残った。語句と語句をつなぐ「を」という平仮名を使うところが酔狂だ。こちらもいきなり複数の叉路にふと立たされるようだ。
「花腐し」は、厭世観たっぷりの男ふたりと女ひとり。淫夢のようであり、哲学的でもある。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年12月31日
- 読了日 : 2023年12月31日
- 本棚登録日 : 2023年12月31日
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