うさぎになった日

著者 :
  • 世界文化社 (2024年3月13日発売)
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感想 : 7
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表題作の「うさぎになった日」は大人しく、話すのが苦手な女の子が、教師との文章でのやりとりを重ねるうちに話したいことが心にあふれてゆく話。最後はぴしゃりと頬を叩かれるような展開もあるけども、そこからの開放感が印象的。
「うさぎのおかあさん」は学校劇でお母さんうさぎ役を演じることになった女の子が主人公。うさぎお母さんの気持ちなんてわからない。納得できない。台詞もうまく言えない…同級生の男の子に連れられて本当のうさぎのお母さんに会うことにより、状況はよい方へ向かっていく。
「スローダンス」は長年連れ添ったおばあちゃんを亡くしたおじいちゃんと、その孫の女の子のお話。月夜のダンスの幻想的な雰囲気と、田舎の和やかな空気が共存する不思議なお話。恐らく認知症になりはじめたおじいちゃんがそのままでいられた最後の時期の話なのかと思うと切ない。
「自転車にのって」父と少年の対話。好きなひとが遠くに行く決心をした時、勝手においてかれたような気持ちになって行われた悪戯がきっかけで、ふたりの対話がはじまる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年5月5日
読了日 : 2024年5月5日
本棚登録日 : 2024年5月5日

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