Jミステリー2023 SPRING (光文社文庫 こ 1-27)

制作 : 光文社文庫編集部 
  • 光文社 (2023年4月12日発売)
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本棚登録 : 481
感想 : 40
3

きらめく日本ミステリーの粋。
今、読みたい執筆人が揃い立つ!
6名の名手によるアンソロジー第3弾。

余談だが、今をきらめく日本ミステリー・・・
だからって、装画があまりに煌めき過ぎて目が痛かった。チカチカする〜

さてさて、期待に胸弾ませながら読み進めた。
個人的オススメは★マークの2作!


★「相続人を宿す女」・・・東野圭吾
読み始めてすぐ「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」を思い出した。って、あれ?もしかして…まさかこの短編で再会できるとは♪
後半からガラッと物語の毛色が変わる流れが面白かった。
扱うテーマといい生き方まで考えさせる筋書きといい、短編でも流石の東野圭吾さんだった。

「不必要不可欠な殺人」・・・結城真一郎
遺された側の心理について考えさせられた。ただ事実を歪めてまで服役する必要があったのか…いつか事実に辿り着くであろう兄妹の複雑な境地を思うと疑問が残った。

★「拾った男」・・・阿津川辰海
タクシーの車内という密室で繰り広げられる心理戦が臨場感があって面白い。結末の締め方は予想をいい具合に裏切ってくれた。短編でも双方の目線切替がスムーズに入っており、読み応えがあった。伏線回収もお見事!

「ロイヤルロマンス(外伝)」・・・真梨幸子
読み始めて数行でストーリーが読めてしまった。
まさか素人が考える通りではないだろうと読み進めたが、裏切られる事なく、余りにも予想通り過ぎたので残念…

「大きな手の悪魔」・・・白井智之
イヤミスだった。別世界の洋画を観ているような想定のお話。最初から最後まで悪魔に心を売った様な人間が描かれ、描写が何ともエグい。読み進めるのを躊躇した。全てが貴美子の術中に嵌る過程にも無理がある。締め方も微妙…

「老いた犬のように」・・・近藤史恵
自分を客観的にみられない人って寂しいなぁと感じた。
別れた妻との過去も自分の見方一つで180度変えてしまう愚かさ…なんとも哀れだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月8日
読了日 : 2023年9月8日
本棚登録日 : 2023年6月2日

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