ぐりとぐらとくるりくら (こどものとも傑作集―ぐりとぐらの絵本)

  • 福音館書店 (1992年10月31日発売)
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感想 : 129
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「ぐりとぐら」シリーズの5冊目。
シリーズの他の作品と同様に、子どもが生まれる前に先走って買ってきたのはいいものの、読んでやれるようになったのはほぼ5年後でした。

一読者としては、くるりくらのお母さんが熊手で雲をたぐり寄せるシーンが「ノンちゃん雲に乗る」を思い出させて、ちょっと鼻の奥がつんとしました。子供の本を読むようになってこういうことが増えて困ります…。

春の陽気に浮かれたぐりとぐらとなぜか手がとても長い手長ウサギのくるりくらが仲良くなるお話です。

春の陽射しに誘われて、セーターを脱ぎ捨て、「あさごはんは はらっぱで」とカゴ一杯にサラダとサンドイッチを作って出掛けたぐりとぐら。

歌いながら作ってくれているので、メニューがよくわかります。

にんじん ピーマン ゆでたまご
チーズ たまねぎ ほうれんそう
キャベツ じゃがいも ぐりぐらサラダ

ピーナツバター ママレード
たんぽぽ クローバ パセリとセロリ
パンに はさんで
ぐりぐらサンド

…だそうです。

ちなみに、たんぽぽやクローバーって食べられるの?って思って検索したら、サジェストの上の方に「たんぽぽ 食べる」「クローバー 食べる」が出てきました。へー、食べられるんだ。
準備したお料理はあとでくるりくらと一緒に食べています。山盛りのサラダと野菜一杯のサンドイッチがとっても美味しそうです。
すごく緻密に書き込まれているので、「これがにんじん」「これがチーズ」「これがキャベツかな…?」って子供と一緒に絵探しする楽しみもありました。
ちなみに、くるりくらのお家でごちそうになった10時のおやつも美味しそうです。細長いのはたぶんニンジンスティック、扇形なのはなんでしょうか…チーズケーキ?
そう言えば、くるりくらの椅子の背中につながっている新聞紙と紐、どうも引っ張って遊ぶおもちゃを自作したもののようです。本にあるお手本のイラストはニンジンを引っ張って遊んでいるところが描かれています。

それから、これまで海に行ってもずっと被ったままだった帽子を取ったぐりとぐらを、初めて見ることができます。くるりくらのいたずらで取られちゃったときと、くるりくらのお家で10時のおやつをごちそうになった時に自分たちで取取ったのと、計2回。
帽子なしになると、ぐりとぐらが「のねずみ」だというのがよくわかるようになります。ところで、脱いだ帽子をよくよく見てみましたが、耳がどうやって帽子を貫通しているかはわかりませんでしたw。

ぐりとぐらがいつものペースなのに対して、くるりくらは不思議な雰囲気です。おまじない体操で手長ウサギになり、長い手で雲を集めてボートにしちゃうなんて。やっぱり春になって「とびたいはねたいおどりたい」とうずうずしたんでしょうか。

くるりくらのおかあさんに縄跳びを編んでもらって一件落着。体がひとりでに動いてしまう子供の体力を縄跳びで発散させるお話になって一件落着です。


読んでもらう側、こどもの反応はなかなかでした。
「ぐりとぐらとくるりくら」というタイトル自体もそうですが、全編に歌詞風にリズミカルに読める部分が多くて、覚えやすいところは一緒に読んでくれます。しばらく口癖のように「ぐ~りぐ~らぐ~りぐ~らくるりくら!」なんて唱えていたくらいです。
残念ながら才能もないし恥ずかしいしでメロディを付けることは叶いませんでした。即興でメロディがつけられる人が羨ましい限りです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中川李枝子
感想投稿日 : 2021年1月22日
読了日 : 2021年1月22日
本棚登録日 : 2014年2月17日

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