この本は「構成」の重要さを再認識できた一冊でした。
恐らく…この本を読んだ人の多くは、物語が終わってから、冒頭の教授の手紙を読み返してしまうのではないでしょうか?
私もそうでした。
あの手紙は別に物語の最後でも違和感がない内容ではあるものの・・・でも、やはり冒頭にあるべき手紙ですよね!
最初にその手紙を読んだ読者に「どうやら阪神大震災で主人公の行方が分からなくなっているらしい?」という情報を入れることがミソといいますか…
その効果は、私には絶大でした。
阪神大震災があった1/17に一日一日近づいて行く主人公に「どうか、地震がくる前に東京へ行って!」と祈るような気持ちにさせられてしまいました。
最初に誰かの手紙を置いて、そして物語が始まる…という構成は別に珍しくはないですが、この作品はその構成を無駄なく活用できているように思います。
あの手紙はエピローグでもあり、エンディングでもあるのかな…いや~、シンプルながら良い作品でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年2月28日
- 読了日 : 2014年2月26日
- 本棚登録日 : 2014年2月28日
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