ウイルスが作った日本のこころ パラサイト日本人論 (文春文庫 た 33-4)

著者 :
  • 文藝春秋 (1999年6月10日発売)
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トラウマからの帰還 140611 

一度依存・搾取・支配と言う甘い汁をおぼえると
それがどれほど致命的な危険だと気付いても
抜け出すことは非常に難しい

いざその危険で孤独で住みにくいにも関わらず
甘い汁を無くす危険が迫ると
パニックを起こすというトラウマにはまる

これは麻薬におかされた状態と同じである
つまりほかの物理的な危険におかされるという
更なる危険を通り抜けるか
同じ追体験をリアルにスローモーションによって
咀嚼し直すことで頭だけでなく無意味だという体感を
心でする狭き門を通る以外に抜け出す方法がない

この経験によってのみ無菌状態に戻ることができる
この世というパラドックス体感を得る冒険の旅は
この追体験によって自分という存在が部分性と全体性の
両面を持っていることを納得する場のなのである

まさしく考えられない程に馬鹿げて理不尽な
物的痛みの状態を往復することで自らの肉体と意識を使い
理解と納得を得る場なのである

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自然科学
感想投稿日 : 2014年6月11日
読了日 : 2014年6月11日
本棚登録日 : 2014年6月11日

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