日本の戦時下ジョーク集 太平洋戦争篇 (中公新書ラクレ 250)

著者 :
  • 中央公論新社 (2007年7月1日発売)
3.18
  • (2)
  • (7)
  • (20)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 117
感想 : 14
5

同氏著の『兵隊万葉集』と同様に、時系列的に太平洋戦争を追いながら当時の世相と「ジョーク」を紹介してゆく。記述が『兵隊〜』と重なる部分が多いが、仕方ない。それよりも、今読んでも面白い「笑い」が戦時下に次々と生み出されていたことに目から鱗が落ちた思い。歴史書などで、エンタツ・アチャコ、ロッパといった名前はよく見かけるが、実際にどのような「ギャグ」でうけていたのか、を知る機会はほとんどない。そういった意味でこれら当時の笑いを「再発見」した本書の意義は大きいといえる。「ぜいたくは敵だ」を「ぜいたくは素敵だ」などと書き換えてしまう「ジョーク」など、決して軍国主義一辺倒ではなかった戦時中の人々の思いが垣間見えるものである。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2008年2月13日
本棚登録日 : 2008年2月13日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする