中島敦全集 (2) (ちくま文庫 な 14-2)

著者 :
  • 筑摩書房 (1993年3月24日発売)
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本棚登録 : 238
感想 : 15
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悟浄出世
悟浄が教えをこう妖怪たちの思想の下敷きが分かればより面白いのだろうが、生憎、教養~……
「我」に疑問を抱き、それを知るため多くの妖怪のもとを訪ね歩くも、それが「執念深く自己の幸福を探していた」ことに気付き、失敗を恐れず試みようという想いに至る、これだけでも爽やかな気持ちになれる。

悟浄嘆異
悟浄が悟空を中心に三蔵一行を誉めちぎる。
面映ゆい……
出世に対して一人称なのもあるかもしれないがだいぶ読みやすい。

日記
パラオ滞在中の日記。
現地で購入した石鹸で体を洗ったら魚臭くなって難儀した、というようなことも書かれていて面白い。

手紙
・昭和11年、関西では男の日傘が流行っていた(敦的にはかっこ悪い)。
・宿の朝は番茶と梅干しの時代、長崎ではコーヒーとゆで卵。
・南洋からたかさんへのお手紙、家族の夕食の席でその日の出来事を話して聞かせるようであったかいな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月26日
読了日 : 2022年11月25日
本棚登録日 : 2021年11月29日

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