プロの課題設定力

著者 :
  • 東洋経済新報社 (2009年7月30日発売)
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感想 : 58
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課題設定に着目した本。課題設定力は問題解決力の上流家庭にあたる能力で、イメージ的には課題設定力×問題解決力=成果と理解した。いかに良い課題・本質的な課題をアクションにつながる形で設定できるかが成果に大きく影響する。
よい課題を理解するポイントとしては、視野・視座・視点の3つかがあげられる。視野は空間や時間の広がりのことでどれだけ広い範囲を含められるかということ。仕事でいえば、後工程への影響を考慮しているかや目の前の事態を収拾するだけでなく将来のリスク低減も検討しているかということ。状況に合わせた範囲で考えることが重要。視座は誰の立場に立って考えるかということ。期待を超える成果につなげるためには2つ上の視点に立つことが求められる。視点はどこに着眼して課題を整理するかということ。
課題設定のやり方はインプット→プロセス→アウトプットの3ステップでポイントがある。インプットでは、聞く・ぶつける・はかるということをやる必要がある。
プロセスではロジカルシンキングとラテラルシンキングの組み合わせで対応する。
アウトプットとは、最終的にどのように課題を定義するかや伝えるかのことでここまでやってこそ完璧な課題設定になる。端的にいうと誰が何をどのようにやるのかを明らかにすること。
まとめてみると至極当たり前な気もするがすべてをきちんとやることは非常に難しいと実感する。
日々の業務にまい進しているとついつい視座が低くなったり視野が狭くなってしがちである。広い視野・高い視座を保ち続けるためにはモチベーションの維持が重要ではないかと考える。常にレベル高い考え方に触れておく、何かに打ち込むなど日ごろから自分を研鑽し充実しておくことがこのあたりの向上につながっていくのではないか…。
日ごろの自分に引き付けて考えると、課題設定のステップの中ではプロセスの特にロジカルシンキングに傾倒しすぎていると感じた。全体としてとらえなおしてみるとこの部分だけを強化してもごく当たり前の課題設定しかできないことに気付いた。たぶん今のままの成長方向だとごく当たり前のことを速く・わかりやすく整理することはできてもそれ以上にはならない気がする。このへんはひごろ仕事をしながら薄々思っていてどうしていいかわからなかった部分なのでとても勉強になった。
今後はこの3つのステップとそれぞれのポイントを意識して全体として課題設定力を強化して期待を超える成果を出せる人材になりたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スキル
感想投稿日 : 2015年3月21日
読了日 : 2015年3月21日
本棚登録日 : 2015年3月21日

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