ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (3)

  • 静山社
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映画ではこの回がいちばん好き。ハリーにとって初めての家族のような存在ができる。シリウスはその後のハリーの感情を大きく左右する存在だと思う。シリウスは傲慢さがあり(ブラックらしい)、やや頑固(アズカバンにあれだけ入っていたら無理もない)だが、ユーモアがあり、勇敢で、何よりもやはりブラックの血が強い分、魔法使いとしては強い、これは彼の魅力だと思う。ルーピンはハリーにとって初めてといっていいし、この後も唯一といってもいい優秀な闇の魔術に対する防衛術の教師だと思う。彼は狼男であることで少し卑屈さはあるが間違いなく心優しく優秀な魔法使いだと思う。ところで狼男という彼の存在は現実世界のマイノリティへの世間の扱いを象徴しているように思う。前巻の屋敷しもべ妖精のドビーもそれに含む。ハリーポッターは一見ただのファンタジーに感じるが実はあらゆる社会問題も反映していると思う(原作者の近年の発言は気になるが)。その点が児童文庫に留まらず、世界で人気な理由だと感じる。
ハリーはまた、大人になるし、両親のことを知る回でこの回がハリーのその後に大きく影響する。ハーマイオニーとロンの関係性も少し変わり、3人が思春期に入ったのもひしひしと感じる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月8日
読了日 : 2023年11月7日
本棚登録日 : 2023年11月7日

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