別に絶望してるわけではないんだが、タイトルに惹かれて図書館で借りてきた。物語はどれも太陽のような陽射しは当たらず、絶望のままだったり、何も解決しなかったり。
本の最初にはこんな言葉が記されていた。
「本を読まないということは、そのひとが孤独でないという証拠である。 太宰治」
本の最後にはこんな言葉が記されていた。
「本には、悲しんでいる人を助ける気持ちなんか、ちっともないとしても、本を読んでいる間は、ぼくは本にしっかりすがりついていられる。 フランツ・カフカ」
活字を経由して物語の中の人たちが、頭の中で動き、心を揺るがす。それが決して楽しい物語でなくても、いやむしろ辛い、悲しい、苦しいからこそ、心にぴったりと寄り添ってくれるのかもしれない、と読みながら思った。
もし私が本屋さんとか図書館をやるとしたら、アンソロジーの棚をひとつ作りたい。誰かが誰かの物語を選んで編んだ本。選んだ誰かと、何人もの作者の頭の中を覗ける楽しさ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年5月31日
- 読了日 : 2022年5月31日
- 本棚登録日 : 2022年5月31日
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