終戦までの年月に東京女子大学で国文学を学び、卒業後の一つ目の就職先が文部省で南方と支那で利用する日本語教科書を制作する。お役所仕事になじめず、もとより役者になる夢もあった著者はアナウンサーに転職。終戦の日は、放送室で同僚が担当する玉音放送を現場で体験している。放送を終えた同僚にお水を差し出して慰労。戦時中の東京の暮らしが細かく描写されているので興味深いです。田端で祖父母と暮らし、のちにおじおば親族のうちを転々とする孤独な身の上であるがゆえに、死んじゃってもいいなと空襲の中で何度も思う。終戦後男性アナウンサーが放送局に戻って来るから女性アナウンサーは退職を促されるだろうという噂が流れると、憤慨し、即座に辞職するなど、身軽で行動的な著者の性格も読み取れます。著者は1922年生まれ。
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- 感想投稿日 : 2014年1月4日
- 読了日 : 2014年1月4日
- 本棚登録日 : 2014年1月1日
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