小惑星イトカワにいって、砂でもかけらでも良いから採取して、再び「地球に戻る」という大変な使命をおったはやぶさは、著者からも宇宙研からも人格があるように扱われているため、読み始めは違和感があったのですが、終盤はやぶさと通信が途絶えたあたりから、わたしも「はやぶさ、返事をしてくれー」という気持ちになりました。地球の引力を使って加速し方向転換するスイングバイなど、物理の話ははてなでしたが、登場する先生もスイングバイって覚えればOKですと細かいこと理解しなくてもインタビューが進んでいくことがオモシロかったです。はやぶさの計画自体に推進力のイオンエンジンだの、ウーメラに落ちたカプセルの素材の高熱に対する耐久性だの、それぞれの分野の研究者の実験が凝縮されており、1つの成功の功績は計り知れないようでした。あわせて千葉市科学館でプラネタリウムプログラムのはやぶさを見ましたが、こっちも大変な迫力でした。もちろん、見ている者は「はやぶさ、君は…」と擬人化された語りに感情移入します。スイングバイが計算上の誤差がほとんどなく正確に行われ日本の技術者の能力に感心しきり。
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- 感想投稿日 : 2010年11月21日
- 読了日 : 2010年11月18日
- 本棚登録日 : 2010年11月17日
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