イギリスで緑茶が廃れた理由が、中国の茶の原産地に潜入したフォーチュンが合成着色料によって緑に染められていたことを発見し本国に伝えたから、という一点だけでも非常に興味深い。プラントハンターの物語という点では「シャーマンの弟子になった民族植物学者の話」の方がはるかに面白いが、フォーチュンの話は背後に流れる東インド会社、英帝国の歴史と相まって、魅力を増している。茶がいかに世界を変えたか、という歴史を教科書的な話ではなく、血の通った話として知ることができる。
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- 感想投稿日 : 2012年8月6日
- 読了日 : 2012年8月6日
- 本棚登録日 : 2012年8月6日
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