サンスティン『インターネットは民主主義の敵か』とレッシグ『CODE』を混ぜ合わせて、事例を新しくしたような内容。
こう書くと、もう既に大した内容ではないような気がするけれども(確かに新規性はないw)、非常にうまくコンパクトにまとまっている。それに訳文も読みやすい。
サイバーカスケード=フィルタリングバブルをどう捉えるのかは、依然として問題であることは、間違いないけれども、それを批判的に捉えてうえで、民主主義の危機だ、討議型のコミュニケーションが取れなくなっている!と叫ばれても・・・「まあ、そうっすよね。それで何か問題あるんすか?もうそんなこと自明じゃん?」って感じになってしまうことは否めない。要は、2005年あたりに集中的に議論された事柄から、一歩も前に進めていない気がする。それだけ問題の根が深いと言われれば、そうかもしれないけど、だけど『一般意志2.0』みたいな話を読んでしまった後に、本書を読むと。どうしても・・・「うーーん?」って感じにならざるをえない。
それにネット上でアーキテクチャを構築する企業や技術者に倫理が必要というのも、それはそれでわかるけども、それを啓蒙的に言われてもな・・・って感じ。
まあ批判/非難っぽく書いてしまったけども、ジャーナリズム論の文脈では、面白い箇所もあった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
メディア論
- 感想投稿日 : 2012年2月26日
- 読了日 : 2012年2月26日
- 本棚登録日 : 2012年2月25日
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