療養介護施設の殺人事件をきっかけに出会う刑事と介護士が倒錯した関係に落ちて行く様と、殺人事件にまつわる過去の出来事を追う記者のストーリーが絡み合いながら進む。
ちょっとありえないような展開から男女がインモラルな関係へ発展していく様は、自分にはリアリティに欠けるように感じた。吉田修一の作品は、善人であれ悪人であれ、その人生や生き方になにかしら共感を感じる作品が多いのだが、この作品の主人公の男女には正直共感できる部分があまりなかった。また、途中まではミステリー仕立てになっているのだが、その部分も十分に回収されず、消化不良に終わった。
本作は作者が新しい表現方法を探そうした実験的な作品のように思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年11月26日
- 読了日 : 2020年11月26日
- 本棚登録日 : 2020年11月26日
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