モネ。本書であらためて、その作品と人柄に惚れ込んだ。
一つのものを、何枚も何枚も描き続けた。それだけでない、取り上げたテーマもまた膨大なのだ。言ってみれば、とてつもなく広大で、微妙に風合いの違う作品からなるワンパターン。
モネは、テーマを変えながら、また、同じテーマを何度も描きながら、「命」を観ていたのではないか?命とは、都会であり、田舎であり、労働であり、娯楽であり、家族であり、建築であり、自然である。それらはどれ一つとして、不変なものはなく、常に変化していく存在。つかまえようとすると、変化してしまう。その壊れやすさを含め、モネは絵画を追求した。
それにしても、本書。映画のラストシーンのよう、という部分(P12,13)とラストの睡蓮の部分(P44)、そして、そして、最後の付録的なルノワールとの友情を示す部分がグッと来ます。
芸術書の傑作です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本<芸術>
- 感想投稿日 : 2012年2月29日
- 読了日 : 2009年7月9日
- 本棚登録日 : 2012年2月29日
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