何というか,深いというか,正直よくわからないところがあって...
最後の編ですが,「台」
清の子の父親が主人公の祖父って本当なのかな.祖母の態度だけでなく、時間的にも不自然な気がする.もし、清が訳ありで、祖父母が清を守ろうとしたなら、祖父の子ということにするのが一番波風の立たない方法で,祖母の振る舞いや,後々まで清が実家のように慕うのも納得できる.だって,「台」を作るような人ですよ,お祖父様は.
戻って,
「江戸染まぬ」
なんでこういう結末になるの.助からないよね、ふたりとも.
「剣士」も,同じような印象.
「つぎつぎ小袖」「町になかったもの」
これは,明るい終わり方.共通のキーコンセプトは「漢文を返り点なしで読み下せる能力」.もしかして,「町になかったもの」の高井蘭山(実在の人らしいけど)って,「つぎつぎ小袖」の主人公の良人?と妄想してしまった(番方だし).もしそうなら、借金作って漢籍を購った甲斐があったってことだよね.
「いたずら書き」
これは,一番読後感がよかった.
「日和山」
ぶった切ったような終わり方で,どう考えたらいいのか.でも,時代は幕末だし,彼のような人にはかえって未来があるのでは,と想像をたくましくする.
以上,順不同でした.
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
青山文平
- 感想投稿日 : 2021年4月6日
- 読了日 : 2021年4月4日
- 本棚登録日 : 2021年4月6日
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