リストラ請負会社に勤める主人公・村上真介33歳。
不景気のあおりを受け瀕死状態に陥った会社に乗り込み、退職金の上乗せ&部署の閉鎖・統合や過去の不正で脅しをかけるなど、アメとムチを使い分ける巧みな交渉で、次々と退職者を増やしていく(なんと恐ろしい会社)。
リストラを宣告する人と、される人の双方の悲喜交々を中心に、話は展開する。
リストラ対象者が、仕事を続けるか辞めるか、必死に考え苦悩する姿はなんとも言えず切ないが、なぜか滑稽で親しみある個性的なキャラクターが際立っているせいか、今日的な重いテーマにかかわらず、すらすら読めてしまった。
本筋とは別に、主人公・真介が、リストラ候補者の建材メーカーに勤務する8歳年上の陽子(41歳)と出会い、恋愛関係になる伏線が、いい感じで面白い。
シリーズ化となっている、続編「借金取りの王子」、「張り込み姫」も読みたくなる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年9月11日
- 読了日 : 2012年9月10日
- 本棚登録日 : 2012年9月11日
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