持統天皇-壬申の乱の「真の勝者」 (中公新書 2563)

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  • 中央公論新社 (2019年10月16日発売)
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感想 : 15
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持統天皇以前、皇位に「30歳以上、譲位なし」という縛りがあったのは意外。後年当たり前の慣例になっているだけに。これ一事でも、天武持統期において日本のフォーマットに画期的な変革があったのを見て取れる。文化事業である万葉集の編纂にも、天武系の嫡流を顕彰し、権力の正当性の主張を謳う意図があったという指摘は納得。何しろ国造りの最中にあって、わざわざ注力した事業なのだから。豪族の首領としての大王時代の終焉、幼少天皇の擁立≒藤原氏との協力体制、国のあり方の大きな転換の中心に居た持統天皇の存在感は、今後よりクローズアップされるのではと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2020年1月7日
読了日 : 2020年1月6日
本棚登録日 : 2020年1月6日

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