最古に属する仏典を平易な文章に訳し、注釈も適格で、読みやすさへの配慮がなされた一冊。執着・固執しないこと。静謐・平安の境地に身を置くこと。大体このような事がリフレインしており、一文一文吟味するよりは、繰り返しによって感化されていく読後感。言ってる事は充分今日にも通じ、自らを省みる事も多々あったし、大抵の人にとってもそうだろう。その点、確固たる普遍性があり、仏教のイロハも知らない2,000年以上後世の人にさえ伝わるという事は、当時多くの人にアピールしただけあると言えそう。もっとも本書でそれ以上に強く感じたのは、瞑想にふける(だけの)一団を養い得たインドという地の豊かさだったかもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文化・スポーツ
- 感想投稿日 : 2022年4月19日
- 読了日 : 2022年4月19日
- 本棚登録日 : 2022年4月19日
みんなの感想をみる