「絶滅」した江戸時代の日常を、来日していた西洋人の(概ね客観的と考えられる)記録を通して描き出す。懐古趣味、過去の礼賛、西洋主観、日本の美化etcが著者の意図ではない事は繰り返し語られ、それは本当と思うが、やはり欧化前の日本を偲ぶテーマである以上、膨大な(西洋人が伝える)過去の美点を聞き続けていると終いにゲップが出る。
ただこれ程多彩な視点から西洋人による日本の観察を集めた本は貴重で、その風景風俗人間の描写もきめ細かく、読んでいるうちに、まるで150年前の日本にタイムスリップしたかの様な気分にさせられる。その世界にどっぷり浸かって、先祖の暮らしを眺めて楽しむのが正解。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2015年9月8日
- 読了日 : 2015年9月8日
- 本棚登録日 : 2015年9月8日
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