本を読んでいてこんなにも耳を澄ますことなど嘗てなかった。姿を見せないザワメキがざわざわと天から地からと聞こえてくる。とても尊いものを聞いてしまったかもしれない。無神論者の自分でも神の姿が朧げに見えたような気がした。この荘厳の宇宙を軽はずみに犯してきた人間の愚かさを悲しむ。そんな人間をも愛おしいと慈しむ声に平伏す。感無量。まだ間に合う。原始の力はまだ断たれていない。人間の心はまだ朽ち果ててはいない。耳をそっと凝らして、幼いみっちんの心の目を持って世界を見ていきたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2014年1月12日
- 読了日 : 2013年6月7日
- 本棚登録日 : 2014年1月12日
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