ヤバい経済学 [増補改訂版]

  • 東洋経済新報社 (2007年4月27日発売)
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■『ヤバい経済学 [増補改訂版]』読了 ★4つ
昔ヒットして、今となっては、ちょっと古い本だが読了。

著者(の1人)スティーヴン・レヴィットは、2年に1度40歳未満で最も優れたアメリカの経済学者に贈られる賞を受賞した鬼才。
アメリカの犯罪発生率低下の原因、子どもの学校の成績の因果関係など、「それも経済学に入るの?」という分野を経済学的手法を使って分析していく。
著者が冒頭で予告するとおり、「本書に一貫したテーマはない」。ひたすら著者の興味があるもの(犯罪系が多い)をテーマを手当たり次第という感じ。
例えば、「アメリカの近年の犯罪率低下の主要因は『妊娠中絶の合法化』である」といった、賛否両論が置きそうな分析を行っている。

統計的手法を使って分析しており、現在だといわゆる「ビックデータ解析」に近いものがある。
AIやビックデータで人間がいらなくなるという議論が多くなってきているが、この本を見ると、ビックデータ時代の人間に残される仕事が(の1つ)がわかる。
それは、そもそも分析するためのデータを取ってくるところ。データ化されていないが、データ化して分析すれば面白い結果が得られなそうな元データをいかにとってくるか。
この分析元データの取得は、各経済学者が苦労しているようだが、まだまだ職人芸的要素が強そう。
コンピュータは元データを与えないと何もできない。「分析のためにそもそも何をデータ化すべきか」という仕事は当面は人に残りそうだと感じました。


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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: [A4] 政治・経済・地政学
感想投稿日 : 2017年2月11日
読了日 : 2017年2月4日
本棚登録日 : 2017年2月11日

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