鉄道と政治-政友会、自民党の利益誘導から地方の自立へ (中公新書 2640)

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  • 中央公論新社 (2021年4月19日発売)
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 中央リニアの静岡工区、西九州新幹線の佐賀県内のフル規格化。
 これらの計画がなぜ頓挫しているのかを、第一部で解説する。

 その後、第二部で明治から現在に至るまでの鉄道と政治の関わりをダイジェストでまとめる。

 第三部で、成功している事例(万葉線、富山ライトレール、福井鉄道)と、これからのLRT計画(宇都宮LRT)、そして災害復興についてが書かれている。

 内容としては、第一部だけが読む価値アリ。
 あぁ、道理で工事が進まないのね、ということが分かる。

 第二部での新しい発見は、明治期では軌道化が道路整備の代替手段だったということを知った。
 当時の道路は舗装はおろか土の道で、雨のあとはぬかるみで馬車が動けなかったとある。
 当時の道の往来といえば、人か馬車。
 自動車なんてものはなかった。
 しかし、道の舗装には大量の砂利が必要となる。
 ここで、軌道化すればその軌道の幅だけを砂利で埋めれば良いので、軌道化こそが道路改良だったということになる。
 この事例が、千葉県営人車軌道だったという。

 へぇ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2021年5月18日
読了日 : 2021年5月18日
本棚登録日 : 2021年5月18日

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