塵よりよみがえり (河出文庫)

  • 河出書房新社 (2005年10月5日発売)
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本棚登録 : 371
感想 : 33
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この作品の空気感、ずば抜けて好き。

人間ではないある一族に育てられている十歳の少年ティモシーを中心に、

短編形式で話は語られる。

家族のキャラクターが素敵。

姉のような存在は、魂を飛ばせる美しい眠り姫のような少女セシー。

おばあちゃんは、エジプトのミイラ。

いつもはしゃぎすぎる従兄弟たち。

個性的な家族の中で、ティモシーは走り回り、人間としての自分の役割を

まっとうしながら生きている。



とくに、セシーの話が好き。

少女の特技は、魂を飛ばして、他人の目や体で世界を見ること。

心が世界中を駆け抜けていく表現が素晴らしい。

そして、読むにつれ、その世界観になれていくのが不思議。

そんなセシーが恋をしたらどうなるのか。

たった数ページにしかその恋は描かれていないが、

セシーとあの青年の掛け合いは、忘れられないものがある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年12月2日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年12月2日

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