この作品の空気感、ずば抜けて好き。
人間ではないある一族に育てられている十歳の少年ティモシーを中心に、
短編形式で話は語られる。
家族のキャラクターが素敵。
姉のような存在は、魂を飛ばせる美しい眠り姫のような少女セシー。
おばあちゃんは、エジプトのミイラ。
いつもはしゃぎすぎる従兄弟たち。
個性的な家族の中で、ティモシーは走り回り、人間としての自分の役割を
まっとうしながら生きている。
とくに、セシーの話が好き。
少女の特技は、魂を飛ばして、他人の目や体で世界を見ること。
心が世界中を駆け抜けていく表現が素晴らしい。
そして、読むにつれ、その世界観になれていくのが不思議。
そんなセシーが恋をしたらどうなるのか。
たった数ページにしかその恋は描かれていないが、
セシーとあの青年の掛け合いは、忘れられないものがある。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年12月2日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2011年12月2日
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