虚人たち (中公文庫 つ 6-21)

著者 :
  • 中央公論新社 (1998年2月18日発売)
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本棚登録 : 1021
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泉鏡花賞を受賞し、筒井康隆が本格的に純文学の世界へ飛び込んだ作品。

小説の舞台は、小説の舞台に立ったと自覚する主人公が登場人物を演じる世界。そこには時間の途切れはなく、主人公の時間の流れが延々と記述される。

また、主人公は時間移動が可能である。しかし、これはドラえもんのような時間の飛躍ではなく、時間という川を遡行し、下るイメージだ。作中で度々言及がある、ヴォガネットジュニア作品と似通った設定だ。
けれども、これを駆使して事件を解決するというわけではない。主人公が演じる物語の設定上、演技上、このような行為が必要になるだけであって、なんら解決には結びつかない。

果たして何が面白いのかと言われるとわからない。わかるのは何が面白いのかわからないということだけである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 純文学
感想投稿日 : 2023年4月30日
読了日 : 2023年4月30日
本棚登録日 : 2023年4月30日

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