まさかの空円さんの出自が明らかに(早い)。
さらに、覚悟と空円さんが修行僧堂で出会ったエピソードも短編で収録されていて、孤月寺の世界がどんどん書き込まれていってるー!
出し惜しみするシリーズは好きではないので(笑)、このスピード感はとてもいいです。
おしなべてオレンジ文庫はこんな具合に展開が早いと思う。いいと思う。
空円さんもかなり人間らしくなってきたもんなあ。
空円さんといい、覚悟といい、充分人間としての器が大きいふたりやと思うので、三久が来るまでの間は「一人と一人」やったなんて信じられへん。
空円さんと覚悟ほどの人を結びつけるだけの吸引力(とでもいうのか)が三久にどれほどあるのか、ちょっとわからん…(笑)。
わからんけども、それは三久が一番そう感じてるよね。
それだけに、
「役に立つか立たないかは関係なく、ここにいてもいい」
と、思わせてもらえる孤月寺が好きなんやろうね。
ひつこいけど、すごい器や人間性のある人にこの年齢になって囲まれ続けている私は、
「はあ…(尊敬)!」
と、なることが多くて、それだけでうっかりへこみそうなんやけど(笑)、私から見たら濃い個性の人たちの中に混じっている理由が、私にもなんかあるんやろう(と、信じたい)。
決して、ゴマメで混じってるのではなく、能力に関係なく私にも私だけの魅力があるのだと思いたい。
穏やかな世界でじっと座ったまま波風も立てず涼しい顔ですごすのは、みためにはキレイなのかもしれへん。
でも、それやと確かに中身はないかも。
怒ったり、イライラしたり、喜んだり、泣いたり、自分ではコントロールできない気持ちとなんとか付き合っていく姿勢に、魅力ってあるのかもな。
それはキレイだけじゃないかもしれへんけど、人間としての深みは増すかも。
ちゅうか、そうでも思わん限り救われへんよね。
煩悩だらけですから。笑
隻手の声って、椹野道流氏の鬼籍通覧シリーズでも出たよね。
教授がいうてはった。
結局、そちらではどういうオチがついたんやっけ(忘れたのか!)。
こちらでも、覚悟はどういう答えを出したのかはっきりは書かれていなかったけれど、公案って、自分に問い続けることやねんねえ。
すべてのものに感謝をしながらあれこれあれこれ考え続けたら、自分の正当化や言い訳じゃなくて、物事の本質に辿り着けるんかな。
そうなら、いいね。
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■ペデストリアンデッキ
橋上駅舎に広場と横断歩道橋の両機能を併せ持ち、建物と接続して建設された、歩行者の通行専用の高架建築物。高架歩道。
■遷化(せんげ)
高僧が死ぬこと。
- 感想投稿日 : 2020年8月14日
- 読了日 : 2017年10月5日
- 本棚登録日 : 2020年8月14日
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