データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社 (2017年4月20日発売)
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データ分析の入門書。レベルとしては「データ分析って何の役に立つの?」という人向け。著者が行った研究の説明を中心に、どのような手法を使うことで何が分かるか、そして何が分からないかを紹介していく。

紹介される手法はランダム比較試験、RDデザイン、集積分析、パネル・データ分析である。これらについて、鉄則・強み・弱みを解説し、どのようなシチュエーションで使え、例として何が分かったかを紹介する。理論の解説についてはグラフを用いて素人にも直感的に分かりやすいようにしている。数式は本文中には登場させず、より詳しく知りたい人のために付録に載せている。また、更にデータ分析を学びたい人のための参考図書も紹介されているので、入門書としてあるべき姿だと言える。

個人的に感心したのは、仮定の話がちゃんと説明されていること。以前読んだ『マンスキー データ分析と意思決定理論』で、データから見解を述べるには、仮定が必要だと学んだ。特に推定範囲を狭めるなら、より強い仮定が必要だと。本書ではその仮定の話もちゃんと述べている。それぞれの手法について、どのような前提の下に結論を出しているのか説明があるのだ。ただ単にデータ分析をしたら色々分かるとするのではなく、その限界も合わせて述べる。これが大事。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年2月20日
読了日 : 2021年2月18日
本棚登録日 : 2021年2月18日

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