弁護士松岡千紗が主人公の、『完全無罪』に続く第2弾。
ひとたび死刑が執行されたら、その後無罪が明らかになっても取り返しがつかない死刑という制度。
人の生死が、裁判官と裁判員との多数決で決まる裁判員制度。裁判員には、被害者に寄り添う一方、罪を犯した者への懲罰的な判決に傾きがちになるという面もあると聞く。
本作は、その裁判員が被害者になる殺人事件が発生し、裁判員が容疑者ともなる。
彼らが関わった裁判が、事件を引き起こしたことは明らか。
その背景は、読者には明らかにされており、登場人物たちがどのような行動を取るかに焦点が当たる。
現実的にはあり得ない設定に鼻白らむが、著者の問題提起は重く、裁判員制度にも一石を投じる作品と言ってもいいか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2022年1月3日
- 読了日 : 2021年12月29日
- 本棚登録日 : 2021年12月30日
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