この「弥勒」シリーズは、絶対見逃せなくなってしまった。
麻薬のような、と言ったら語弊があるだろうか、読みだしたら止められない、それほど魅力的ということであるが。
毎月大量生産されている文庫書下ろしの時代小説(ほとんどが延々と続くシリーズもの)とは、確かに一線を画すこの小説を、「全体時代小説」あるいは「創造的な時代小説」と、解説者の高橋敏夫氏は書いている。
本屋の書棚にずらりと並ぶ「最近大流行の平板で紋切型の時代小説」を苦々しく思っている身にとって、解説者の言は、まさに言いえて妙であり、留飲の下がる思いである。
武士としてではなく、商人として故郷に帰り、大仕事を成し遂げた清之介が、今後どういう活躍をし、運命をたどるのか、そして岡っ引き伊佐治や、同心木暮信次郎が、どのように係わっていくのか、次回作『冬天の昴』
が楽しみである。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2014年10月22日
- 読了日 : 2014年10月22日
- 本棚登録日 : 2014年10月12日
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