装いの王朝文化 (角川選書 573)

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  • KADOKAWA/角川学芸出版 (2016年7月27日発売)
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感想 : 6

源氏物語、蜻蛉日記、枕草子などから、当時の貴族の衣服に着目して、ある状況において、衣服が持つ意味などを読み解いている。

衣服の色、素材で表される社会的地位、恋愛時の狩衣、直衣でも状況によってフォーマル、カジュアルになったりといったエピソードが散りばめられている。

蜻蛉日記の道綱母が裁縫が得意であり、兼家が自分の仕立てた服を着て輝いている様子と惨めな自分を対比して書くことで、自分の承認欲求を満たしていた、だったり、源氏物語の髭黒の描写が、実はファッショナブルな髭黒が、物語では玉鬘の視点で書かれているため、いい印象がないという読み解きが面白く、ただ現代語訳を読んでるだけだとわからない部分だと感じた。

当時の衣服は、重ね着なので、時間がかかると思っていたが着替えが意外と素早くできたことや、十二単の単は下着のことだとかの豆知識も楽しめた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月3日
読了日 : 2024年4月3日
本棚登録日 : 2024年4月3日

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