にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1774
感想 : 130
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一葉が漱石・鴎外に比べて(たぶん)読まれていないのは、その文体がハードルだからだろう。かくいう私も、一葉は本書が初めて。長時間移動する機会ができたので(つまり、他に読むものがないので投げ出せない)、挑戦してみた。

案の定、細部まで追うのには苦労したが、短編なのでとりあえず最後まで読み切る。で、また重要な箇所を読み返すと、だんだん理解が深まった。ネット上にはあらすじ紹介もあるので、後でそれで確認することもできる。

肝心の内容だが、文体の美しさや女性を描いたことの意義は言うまでもなく、展開の巧みさを感じた。なので、先ずは予備知識なしに読む方が、読後の印象は深まると思う。所収作のなかでは「十三夜」が比較的読みやすく、かつ名作なので、これを先に読むのがよいかもしれない。

一葉が残した小説は22編だそうだ。本書は本文250ページ・計8編だけだが、これだけで3分の1以上ということになる。夭折が惜しまれる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年9月20日
読了日 : 2022年9月17日
本棚登録日 : 2022年9月17日

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