「灰色のピーターパン」
IWGPシリーズは短編ごとにただ厄介ごとを片付けているだけだと思っていたけれど、物語の作り方を少しメタ的に考えるようになってからはよくできているなあと思った。
マコトという人間が、ひとりの少年のために殴られてまで、家についていってあげてる一人きりのクリスマス。
決して派手な活躍はしていないし、アツい展開があるわけではないのかもしれないけれど、丸岡というヤク中と主人公マコトが人に与える影響の対比構造がうまく取れていると思う。残りの短編もまた書いていく。
「駅前無認可ガーデン」
とくに感想なし。読んだの昔だったのもあるけど、いちおうストーリーラインくらいは頭にある程度。
「池袋フェニックス計画」
これはいただけない。いや痛快よ。痛快に見えるけど、ちょっと主人公サイドに作者が寄りすぎだよ。これを「正義」として勧善懲悪するにはちょっと無理が過ぎる。というか、権力側を安っぽく悪に仕立て上げすぎなんだよね。作者が左なの知ってるから若干偏見の意はあるかもしれんけど、なんか腑に落ちないというかマコトに「おう!がんばれ!!!」って応援したくなる感じではなかったよね。ちょっとストーリーとして設定があまりに単調かな。
共感させるにはややこっち側の描写が甘すぎるのかもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年3月18日
- 読了日 : 2022年12月29日
- 本棚登録日 : 2022年3月18日
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