「かたち」の哲学 (岩波現代文庫 学術 196)

著者 :
  • 岩波書店 (2008年8月19日発売)
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感想 : 4

生まれてはじめて哲学に関する本を読んだので記念に感想を。

作者の双子の姉妹との恋愛話が織り込まれていて、読みはじめた最初は、哲学の話だけでいいのになんて思った。

けど、読み進めるうちに、
双子の姉妹とはどうなったんだろうと作者の恋愛話を追いかけてる自分がいた。
そしてちょうどいいタイミングで、
恋愛話がやってくる。
いい具合に、哲学の話ともリンクして、
より理解が深まった。

自分の弟が小さい頃に、
ポン酢を好きすぎて「ポン酢になりたい」と言っていたことがある。
あれって子どもの感性ならではだよな〜と思っていたところ、本書にも「鴨になりたい」と言った男の江戸時代の小咄が出てきた。
男は「旨いから」という理由で鴨になりたいと言う。
「綺麗だからお姫様になりたい」という願いには感じられない不気味さがある。

だから何だ?という結論を求めるひとには向かない本。

本書を読んで「形」は「輪郭」だと思った。
文字も形で、記号。
それを読み取ることができる人間に生まれてきたからこそ、いろんな本を読もうと思う。

ふかみのある人間になるために。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年7月19日
読了日 : 2020年7月19日
本棚登録日 : 2020年7月19日

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