狭き門 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1954年8月3日発売)
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本棚登録 : 1953
感想 : 170

フランスのノーベル文学賞受賞者アンドレ・ジッドによる小説である。

題名の「狭き門」は、新約聖書のマタイ福音書第7章第13節にあらわれる、
狭き門より入れ、滅にいたる門は大きく、その路は廣く、之より入る者おほし。

というイエス・キリストの言葉に由来する。すなわち困難であっても多数派に迎合せず、救いにいたる生き方の喩えである。
物語の語り手であり主人公でもあるジェロームは、2歳年上の従姉であるアリサに恋心を抱く。アリサもまたジェロームを愛しているが、周囲の人々も両者が結ばれることに好意的であるにもかかわらず、結婚をためらう。神の国に憧れを持つ彼女は、最終的に地上での幸福を放棄し、ジェロームとの結婚をあきらめ、ついには命を落とす。

この作品において、アリサの自己犠牲の精神は美しく描かれている。しかしジッドはこの作品を通して、アリサのような自己犠牲に対する批判を行った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2015年5月11日
読了日 : 2015年5月11日
本棚登録日 : 2015年5月11日

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