にがくてあまい 4 (マッグガーデンコミック EDENシリーズ)

著者 :
  • マッグガーデン (2012年1月14日発売)
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本棚登録 : 568
感想 : 36
4

マキがポチと一緒に謝りに行ったというエピソードが切ない。
よくわからないけどご主人様が悲しそうだから
しゅんとしながら付き合ってくれる犬らしさがたまらない。

事務所が風花推しの乗り換えてミナミが落ち目扱いされる中、
若い才能に対する敗北感から、これは自分が翼に与えたものではないかと気づく。
マキさんは普段ミナミと仲良しではなくても
落ち込んでいるミナミに味方し、渚と喧嘩するが、
渚はヤっさんにガキと言われ、自分でも気がつけて
きちんと「さっきは悪かった、ごめん」と謝れるところが偉い。
謝れない人というのは意外に多いものだ。
渚に渡された絵を見て「この子達の期待を裏切らないようがんばる」と言えるミナミが可愛いと思う。

CM撮影当日一度は諦めそうになるものの、
いちじくのタルトをマキさんが言って渚が持ってきてくれる。
外から見えないから無花果と言われるが、
実の中にたくさんの花をつける。それがミナミみたいだと思った、という渚。
翼も、おとなしい外見と裏腹に激しいと春子のことを評していた。
兄弟だから、感性も近いのかもしれない。
「あんなに苦しい重いをさせたあたしのこと
どうして好きでいてくれたのかな」
とミナミが自分の気持ちが言えるのも、渚だけだろう。

撮影相手を渚にチェンジする辺りは滅茶苦茶だが
それが通るのも、健吾には代わりのCMをあてがいブレイクさせるマキさんも恰好良い。
CMで違う表情を見せたことで、メンズ誌という
違った畑から仕事がくるのもリアルだし良い。

ハミドさんのエピソードも癒やされた。
スポーツ誌がただのセクハラではなくて、
下町のおじさんたちなりの気遣いだったというのも微笑ましいし
ハミドさんが無事で良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2021年4月30日
読了日 : 2021年4月30日
本棚登録日 : 2021年4月30日

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