国際社会からは「奴隷労働」だと非難されている「技能実習生」についてのルポタージュだ。本書ではベトナム人に焦点が当てられて書かれている。最低賃金の手取りからさらに家賃なども差し引かれての収入で、3年間で300万貯め込んで本国に帰り家を建てるベトナム人もいることは確かだけれど、失踪しなければならないほど劣悪な条件で働かされている外国人もあとをたたない。これは本国の送り出し機関とそして日本の監理団体がクソだからだ。日本の監理団体は帳簿に形跡が残らない仕組みでキックバックを送り出し機関からもらっている。本国で飲めや歌えや抱けやの接待をベトナムで受けたり、または現金を実習生に運ばせたりしているらしい。結局そのお金のしわ寄せは、実習生が支払うことになる。70〜100万円が送り出し機関に支払っている。技能実習生は転職が許されない。仕事が嫌なら、辞めて本国へ帰るしかない。しかし、帰ったら送り出し機関に支払った借金が残っている。ベトナム人の平均年収は25万円だから、返す事も出来なくなる。だから失踪して、少しでも給与の高い仕事を探すのだけれど、入管に見つかれば強制収容そして強制帰国をさせられてしまう。技能実習生は以前は中国人が多かったらしい。しかし国力は逆転しているので、今や日本の労働力が中国に買われている状態。こんな制度も、アジアの国々がやがて日本を追い抜いて、見向きもされなくなるだろう。
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- 感想投稿日 : 2022年8月13日
- 読了日 : 2022年8月13日
- 本棚登録日 : 2022年8月13日
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