タイトルからして痛快なトンデモ本かと思ったら、意外な説得力に戸惑いを覚える。
ベートーヴェンに「不滅の恋人への手紙」というのがあるが、誰宛なのかが分からず議論になっているという。これ、実は敵対する重要人物の動静を伝える、一種の暗号の手紙だったと解く本なのである。ナポレオンの支持勢力(ベートーヴェンはこっちに属する)と敵対勢力の権謀術数の話が絡む。
諜報員と言っても、スパイ活劇の登場人物的な話ではなく、この時代の著名人は大なり小なりこういう役割を担っていたんじゃないのかな。
ナポレオンやエステルハージ(ハイドンのパトロンの息子)といった名前、プラハ、カルルスバードなどヨーロッパの地勢関係などがわかるのもいい。
読書状況:読み終わった
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音楽
- 感想投稿日 : 2019年7月1日
- 読了日 : 2017年6月25日
- 本棚登録日 : 2017年6月25日
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