統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか? (光文社新書)

著者 :
  • 光文社 (2006年10月17日発売)
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感想 : 82
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ウチの業界では、作為や偽装まではともかく、意図的に都合の悪い情報は軽く扱ったり(割愛するとか)、たまたま入手できた情報だけからストーリーを組み立てたり、結局は“ひらめき”(クライアントのツルの一声とか)で結論が語られたり、ということが日常チャメシ事である。

だがそれは一概にインチキだろうか。

統計を見る目的がそもそもプレゼン対策だったり、時間的制約があったり、所期の目的そのもののが厳密でなかったりすることから、それらはフツーの要請であるし、それによって大きなクライシスが生まれることはまれである。

一方、統計は過去の事実の集積(を大括りにしてはみ出した部分をカットしたもの)である。「次に起こる一事」が、統計が示す大括りな法則の通りに起こるのなら、例えばケイバなんぞは当たりまくりで成り立たないだろう。(ケイバでいう情報は、統計というには余りにも断片的に過ぎると思うが、喩えばの話で^^;

そも何かを「やる」ことが重要なのであって、統計を使って「どうやる」かを説得しようというのは、単なる手続きに過ぎないのではないか。なにしろ統計は単なる影絵なのだから。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2019年6月13日
読了日 : 2008年3月17日
本棚登録日 : 2008年3月17日

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