古事記なんかの時代以来の、日本の「林業」の歴史をひも解き、現状と未来を憂える本。
日本には本当の原生林はほとんどないと言われる。つまり、先人がほとんど何らかの手を入れてきたということ。その、人々が営々と積み上げてきた森づくりの歴史である。
こうして通史的に眺めていると、明治維新や世界大戦などの大きな転換があるたび、役人や政治家が(理想に燃えたかどうか知らんけど)ヨーロッパなどの知見を無批判に持ち込み、地場の伝統や知恵に学ぶこともなく、机の上や密室で考えた半端な施策で森を荒れさせたのだ、という流れが見えてくる。卑近なところでは、先の政権交代時にも似たような構図があったらしい(わけのわからん、目先の補助金など)。
明るい未来展望が開けた感じではなかったけど、考えさせられる好著であった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年6月21日
- 読了日 : 2015年3月16日
- 本棚登録日 : 2015年3月16日
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