日本の歴史 2 改版 (中公文庫 S 2-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122043879

感想・レビュー・書評

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  • ★4.5
    内容は古めだが非常に分かりやすい。単なる通史だけではなく、その根拠や論争にも触れている。最近の研究については最後に付記がある。
    地図・系図はところどころに挿入され、巻末には年表と索引あり。

  • 7世紀の通史。登場人物の心情を想像しつつ叙述が進んでいくのが特徴。中大兄と間人の同母兄妹間の結婚など、本当かと思わせるところも少なくないが、人物に感情移入しながらスラスラと読むことができる。巻末には著者による解説(旧著以降の研究成果の説明)が載っており、歴史研究の確かな進展を感じさせられる。

  • 中央公論の歴史本第2巻。蘇我氏と物部氏の崇仏廃仏闘争、蘇我氏の隆盛から推古朝と聖徳太子の摂政、日いづる国から~の手紙で煬帝怒らせる、大化の改新、乙巳の変、天智天皇即位、壬申の乱、天武天皇即位、律令の制定、持統天皇即位、文武天皇即位まで。権力闘争に敗れた側の人物に魅力的な人が多いのはなぜだろうか。大海人皇子に負けた大友皇子や草壁皇子に負けた大津皇子など。詳細→
    http://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou31101.html

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    教科書に乗っている程度の事もほぼ忘れてしまっている時代
    初めて聞いたり、読んでいて思い出したりする内容がほとんどの時代であるがこの時代は日本という国家の枠組みがまだ固まっておらず、天皇も後世のような絶対的な権威を保有しているわけではないので非常に不安定と感じる内容だった。

  • とても良かったと思います。
    事柄や人物についてより詳細に知る事でより面白くなります。

  • 古代国家の原型が固まってから、天皇の絶対的地位が確立される、推古朝から持統朝まで。
    有力豪族の物部氏を蘇我氏が滅ぼしたのち、厩戸皇子は天皇の地位の向上を目指す。
    それは、大化の改新による蘇我氏の衰退で一定の成果を見るが、白村江の戦いの敗戦により、政情はまた不安に。
    天智天皇の辣腕でひとまずは政情の安定を見るが、後継者問題により壬申の乱が勃発。天武天皇にバトンが渡される。
    天武の治世時に浄御原令が制定され、官僚制が確立される。
    しかし、天武の死後、また後継者問題が勃発。有力な皇太子がいなくなることで、天武の皇后が持統天皇に。持統天皇の治世ののち、自身の孫である文武天皇にバトンを渡す。

  • 聖徳太子の登場から奈良時代の少し前まで、副題にもあるように古代国家の成立が主な内容である。

    特にスポットが当てられているのは、聖徳太子、天智天皇(中大兄皇子)、天武天皇、持統天皇の4人。

    中でも天智天皇については、優れた政治家である一方で、野心家としての一面も覗かせる。ただ、当時の時代背景上、天智天皇だけでないのかもしれない。

    本書から、この時代は、皇位を巡って後続どうしが地で血を洗う争いを繰り返しているという印象を持ってしまうが、皇族間の権力争いは、後年における保元の乱のように、実際には普通のことであったのかもしれない。

  • 大化の改新から持統天皇までの歴史である。
    日本書紀でも持統天皇まで扱っているので、この点でキリがいい。

    天武天皇のような神話の世界よりは文献や発掘調査等でこの時代のことを理解することができるが、やはり歴史の行間を読む必要がある。
    本書は1巻と同じく、種々の学説を解説した上で当時の情勢を鑑みてどの学説がもっともらしいか、ということを論じている。
    行間の補完という観点では、どうしても主観が入らざるを得ないがそこはやはりこの分野の権威である直木孝次郎先生の感性豊かな考察である。


    ただし、本書の発行がかなり古い(初版は1965年)ため、最新の学説は少し異なるのかもしれない。
    本書の最後の「解説」の部分で最新の学説をかいつまんで説明されている。
    が、歴史とはその時時で変わるものである。
    今日、最新の歴史を読んだとしても10年後はどうなっているかわからない。
    本書の目的は最新の学説を理解することではなく、日本の歴史の流れを大まかにつかむことである。その意味で本書は非常に良くできていると思う。
    ただしかなり細かいので、概論で良いというのであればまた別の書籍があるのではないだろうか。

  • 第2巻では、蘇我・物部の対立から、持統天皇の治世までを扱っています。

    著者は、シリーズ第1巻を執筆している井上光貞と並ぶ日本古代史研究の泰斗ですが、第1巻が戦後の諸学説の批判的検討を読者にはっきりと示そうとしているのに対して、この巻では、著者自身の歴史の見方が一つのストーリーとして示されており、専門的な学説の批判・検討は、あまり読者に見えないような叙述になっています。

    第1巻に続けて読むと、ちょっと残念な気もしますが、入門書としてはオーソドックスな構成と言えるように思います。

  • 飛鳥に根拠をおいた天皇家は、豪族から一段優位な地位を確保しつつ統一国家を組織してゆく。大化改新、壬申の乱など緊張したドラマ豊かな上昇期を、微妙な一瞬にいたるまで再現し、聖徳太子、蘇我馬子、天智天皇、持統女帝など卓越した人物たつの立場を明らかにしてゆく。

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著者プロフィール

1919年、神戸市生まれ。大阪市立大学教授を経て名誉教授。大阪文化財協会評議員などを務める。大阪文化賞受賞。著書多数。

「1997年 『なにわ塾第66巻 古代史の真実を探して』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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