本書は、資本主義における労働についての仕組みから、個人としての労働についてどうあるべきかまで、構造的な観点から、理論的に説明してくれるものだった。
経済学チックな内容だけにスラスラ読めるものではなかったが、分かりやすく、非常に納得感のある内容だった。
資本主義社会に生き、そこで働く人ならば、読んでおいて損はないものなのではないかと思った。
以下、印象的だった部分の引用と感想
「価値」と「使用価値」の違いは、今まで意識していなかっただけにとても考えさせられた
→商品について考える上では、価値と使用価値の観点から考える必要がある。
→この価値と使用価値の違いを分かっていないからこそ、労働において、自分の市場価値をあげるのが使用価値ではなく、価値であることに気づいていないことが多い。
これは、自分自身、ハッとさせられたことだ。給料は基本的に、使用価値ではなく、価値で決まるということを意識しておくべきだ。
資本主義における給料が、その国での必要経費分であり、だからこそ、養う家族がいたり、病気のリスクが大きい年上の人が給料が高くなっていくという話は、とても納得ができるものだった。
本書を読んで、労働者は結局、資本家に搾取される側であり、ラットレースからは抜けられないのだということがよくわかった。
資本主義の構造的なところを、それぞれの用語から分かりやすく説明してくれる。働く、ということに携わる上で知っておくべきことが書かれた本だなと感じた。
人はどんな環境にも慣れてしまうため、働いていく上での自己内利益が常にプラスになるような働き方を考えていかなければならない。
→精神的コストに注目、自分にとって意義のある仕事であれば、自己内利益がプラスになりやすい
楽しい仕事、好きな仕事→興味が持てる
自分にとって意義のあるものになる
- 感想投稿日 : 2021年8月14日
- 読了日 : 2021年4月26日
- 本棚登録日 : 2021年4月26日
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