約30年前既に世俗を離れた日本の経済学における碩学的存在といえる著者。「現実の”モノ”を読む(知る)ために本を読む。」「読んでも読まれるな。」といった言葉が印象的。内なる【概念装置】は、顕微鏡のような物質的外的装置とは異なり、誰もが自分自身で作らなければ本物とは言えないというような、学問を追求する真の意味を喝破する。本作品も当然30年以上前に記されたものだが、現在でも興味深く読むことができた。惜しむらくは、自身(私)がもう少し若かったら、と思うばかりである。巻末に近い「床屋と外科医」の話は、現代では「診断士と総合シンクタンクフェロー」くらいの話にならないだろうかと妄想するも喩えがよくないか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
教養(哲学)
- 感想投稿日 : 2018年7月11日
- 読了日 : 2018年7月11日
- 本棚登録日 : 2018年6月18日
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