レトロスペクティブとは、「反省」、「ふりかえり」といった意味。本書は、アジャイル系プロセス(ソフトの開発方法の一つ)でのレトロスペクティブのやり方を解説する。一つのイテレーションの終わりにレトロスペクティブを実施することで得られる効果は・現イテレーションの問題点を、次で改善・現イテレーションでうまく言った点の強化、「文化」化・チームのコミュニケーションが盛んになる・プログラマーの社会性が高まるなど多岐にわたる。要は、plan-do-check-act(PDAC)のcheckにこのレトロスペクティブを使うとうまくいくということである。納得できる点も多々あるが、問題点もある。それは、なにかというと、レトロスペクティブのファシリテーションがすごく難しいということである。本書の大部分は、このファシリテーションについての解説であるが、ファシリテーション・リテラシーが低い人(おそらくほとんどのプログラマーはそうだろう)には、その解説が頭に入ってこないと思う。私の場合もそうで、中盤を過ぎたあたりからなんとか理解できるようになった。しかし、理解と実践は大きな隔たりがある。理解すら容易ではないのに、その実践たるや、想像を絶する難しさである。とはいえ、アジャイルな取り組み方でとりあえずはじめてみようか、とも思う。
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- 感想投稿日 : 2018年10月23日
- 読了日 : 2008年3月12日
- 本棚登録日 : 2018年10月23日
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