殴り合う貴族たち: 平安朝裏源氏物語

著者 :
  • 柏書房 (2005年9月1日発売)
3.50
  • (11)
  • (26)
  • (39)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 255
感想 : 36

こんな本があるとは!
藤原実資の「小右記」解説本。「左経記」とか「御堂関白記」とか「権記」とかでも欲しい〜!
しかしまあ、なんてワイルドなの、平安時代…。貴公子達の野蛮なこと。身分の低い人を拉致監禁暴行が日常茶飯事。女性だって、天皇に殴りかかる女房とか身内の不祥事をもみ消すのに検非違使を威嚇したりとか。寺社造成の石運びに都を往来する民を捕まえて強制労働とか。年がら年中、誰かが拉致されたとか、誰かん家が襲撃されたとか、でもって自分の親族が関係者だったりとか…王朝の権力者って、結構情けなく大変そうです。
そして何故か、「切り壊つ」「召し籠める」「打ち凌ず」「打ち調ず」「凌礫」…と狼藉を表現する語彙が無駄に雅び(笑)

※敦明親王(小一条院)と禎子内親王は「きょうだい」みたいな記述はよく見る。確かに2人とも父は三条帝だけど、敦明親王の母は藤原済時の娘・娍子だし、禎子内親王の母は道長の娘・妍子だしで、同母じゃない。「当子内親王」と混乱か?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2019/02
感想投稿日 : 2019年2月21日
読了日 : 2019年2月21日
本棚登録日 : 2019年2月19日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする