グレイヴディッガー

著者 :
  • 講談社 (2002年8月1日発売)
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本棚登録 : 472
感想 : 84
4

ジェノサイドに感銘を受け、高野さんの第2弾です。
グレイヴディッガー(墓堀人)面白かったです。現代の魔女裁判。
自己の優位性を持って、他人を貶め、さらに優位性を高める輩を裁く。人と言う物は、金を、自己肥大を、そんなに集約したくなるのでしょうか。

主人公(?)八神に、どんどん引きずり込まれて行く形で一気に読み進めて行けます。たった2日弱の時間の話で、ここまで色んな事が起きるか、赤羽から大森(六郷)までどんだけ遠いんだと、普段普通に電車に乗って通っている分には、こんなに時間がかからないよと思いながら、警察及び警備方法、捜索方法、伝達方法と言うのは、色々な方法があるのだなあと、感心する。
少しずつ謎が解けて行くが、思わぬ落とし穴もあり、中々興味深い。疑心暗鬼と言う人間性の一番嫌な所が少しずつ顔を出し、考えさせられる。漸く一安心と言った所で、まだ強敵が残っていたり、最後まで気を抜けない作りに時間を忘れて、読みふけってしまった。

本当に悪いやつは悪い顔をしていない。自己と葛藤をしている善性を持った人が悪い事をした際に、苦悩が顔に出て悪相になってしまう。でも、本当の悪人も悪い顔してると思いますよ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年10月23日
読了日 : 2011年10月23日
本棚登録日 : 2011年10月23日

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